Many and Very

いつ死んでもいいように、なるべくがんばって生きたいだけ。

モトカレ

まったくもって「田舎あるある」の話で恐縮なんだけど、

先日同僚の口から「U子ちゃんって●●くんって知ってる?」と唐突に高校1年から3年生のときまでびっちり付き合っていた元彼の名前が出てびっくりした。

 

数年前に大型スーパーで見かけたとき、毛玉だらけのジャージにボロボロのセーター、便所サンダルみたいな出で立ちで、最後に見たときからおそらく2倍の体重くらいまで肥えてたし、まさか金銭的なトラブルによりついに逮捕でもされたのでは?という思いが頭をよぎりながら

 

「・・・知ってるけど、どうかした?」とおそるおそる聞いたんだけど、

 

同僚は「いや、うちの旦那と友だちで、この週末家に遊びにきてたのさ、てゆーかよく遊びに来るんだよね。昨日なんとなく高校のときの彼女の話になってちょっと名前言ってみてって言ったらU子ちゃんだったから家で大きな声でた」と言ってふふふ、と笑うのだった。

 

地元せま〜〜!!

 

そうしてしばらくぶりに高校の元彼のことを思い出し、ひとつ思い出したらふたつ思い出して、ふたつ思い出したらみっつ思い出して、そういうことってありませんか。

 

とにかく同僚に、

「彼さ、よくU子ちゃんが通っている高校まで自転車で迎えに行ってたって話してたよ」と言われて、そうそう、ぜんぜん忘れてたけど、よく高校までボロボロのチャリで迎えに来てくれてた!

 

そうして二人乗りして、ギーコギーコしながら家まで送ってもらってたんだわ!

 

まったくもって忘れてた!そんなこともあった!

 

めっちゃ久しぶりにその記憶引き出しから出したけど、あんなに何回も迎えにきてくれてたのに今まで全然まったく思い出すこともなかった!!

 

20年ぶりに思い出した元彼の記憶は、自分でも意外なほどに私の記憶をゆさぶった。

 

私の記憶の中の彼は、なんてゆうかすごーくだらしなくて、お金なくて、お金ないのは高校生だからとかそういう問題でなくなくて、たくさんつきあったけどとにかく「だらしない」そんなイメージしか残ってなくて、いつも「あの人と別れて本当に良かった」と思ってその後の人生を過ごしてきた。

 

だけど大人になった私が彼を冷静に振り返ってみると、明るくて楽しくて優しい人だったのがよく分かる。ほんとはとってもいい人。私を傷つけるようなひどいことなんて言わないような人。

 

そういうことって、全部忘れちゃうんだなぁ。びっくりしませんか。「してあげた」ことはイヤらしくほとんど覚えてるのに、してもらったことはほんとに真っ白に近いところまで忘れているなんて。

 

 

 

私はもしかしたら、今までもそうだったのかも。

自分が誰かにしてあげたことばっかり記憶に刻んで、誰かにしてもらったことは当たり前の顔で「ありがとー」なんて言って忘れて、もしかしたらそうやって忘れて生活してきたのかもしれない。

 

あの人はどんだけしてあげても、してもらうのに慣れてるってな感じで、助けてもらうのが当たり前みたいな、やってもらうのが当たり前みたいな、そういう顔してたのかも。

 

これからはしてあげたことはまぁ全部忘れてもいいから、してもらったことは忘れないようにしたい

 

自分が何を貢献したか、自分がどんだけいいことをしたか、自分がどのくらいの能力があるのかってことは考えなくていいから、人にどれくらい気にかけてもらってて、それがどのくらいありがたいことかってことを考えられる人になりたい・・・・・

 

 

ということで、元彼のことで考えてた1週間でした。

 

 

コロナも少し落ち着いて、明日からは幼稚園も通常保育開始。

2月末から今まで長い3ヶ月だった。子どもたちはへっちゃらな顔して過ごしている。明日からは今よりもうちょっと楽しい日々になればいい。

 

 

してあげたことは忘れて、してもらったことだけを覚えて生きていけたら、それってけっこう素敵なことだと思えてきた。

 

私があの人と高校の3年もつきあったのは、最終的にこの結論に達するためでけっこう意味あったのかも。なんてね、おやすみなさい。