Many and Very

いつ死んでもいいように、なるべくがんばって生きたいだけ。

みんなのおうち

あれは3年ほど前か。

いや2年半か。

 

まぁそれはどっちでもいいんだけど。

 

とにかく今の夫、つまりは元彼だった彼が「彼氏」になったとき、

そのときはわたしはまだ横浜に住んでいて、さて、彼氏もできたし、父親のこともあるし(その後死亡する)、さっさと地元に帰って結婚しようっとひとり心に決めた。

 

結婚することをひとりで決めてからは、得意の超特急で前のめりの思考をめぐらし、

 

さっさとそごうの本屋に行って「理想の注文住宅」という本を立ち読みした。

 

 

その日のブログを読んだ友人から「あんたってほんと…」などと呆れ苦笑いで評価されたが、わたしは「だってそうじゃん」なんて持論を展開し、「まぁ好きに生きれば。がんば」などと励ましをうけた。

 

それから半年後、無事にH氏と結婚したわたしは、

北海道に前職場の後輩Sちゃんが遊びに来てくれたタイミングで美瑛のペンションに泊まり、そのペンションのあまりの居心地の良さに衝撃をうける。

 

「な、なななん、ななななにこれ、理想のおうちなんだけどーーーー!!!!!!!!!」

これがほしい。あたしこのおうち欲しい!!!!!

 

オーナーさんに聞くと、そこは「スウェーデンハウス」とかいうハウスメーカーで建てたと言う。

 

スウェーデンハウス

 

今まで彼氏もいないで男にモテることばっかり考えてた田舎侍のわたしが、突如のラッキーチャンスをモノにして下克上(結婚)したもんだから、そんな素敵なおうちがこの世にあるなんてこと、全然しらなかった…。

世の中の大名たちはこんなにいい暮らししてたの?

 

Hくん、あのね、あたし、スウェーデンハウスに住みたいです。

 

帰宅したわたしは、早速狂ったようにスウェーデンハウスを検索しまくった。

どうやらものすごく高いらしい。高い…信じられないほど高い。日本のハウスメーカーの中で一番高いじゃないか。

 

こんなに高いおうちに住みたいなんて願望、H氏には知られるのはまずい。プレッシャーになる。ぜいたくな女だと思われる。すでに物欲の鬼だとしられてるのにそれはまずい。

 

だけど言いたい!何かに誓いたい!!

 

困ったわたしは日記の「あなたの夢」という欄に「スウェーデンハウスに住みたいです」と書き込んだ。

 

 

 

その後わたしは、必死にさりげなさを装い、わざわざ車で3時間ほどの街にあるモデルハウスまでH氏を連れて行き、

とんでもない高いお家だということも知らずにスウェーデンハスの良さを目の当たりにしたH氏は「U子、俺もこの家住みたい…」という。

 

しゃー!!

 

こんな感じで、おうちの夢、スウェーデンハウスに住むことは、しめしめ、まんまと夫婦の夢にもなったわけなんだけど。

 

 

ここへ来て、私たちの収入では4千万円近いローン(40坪未満のおうちでもまじでそのくらいかかるらしい)を返していくのは厳しいという結論になり、

私たちの夢は、膨らまして1週間放置した風船のようなしょんぼりシワシワした有様になったまま放置されてた。

 

 

しかし先日、わたしに初めてできた近所に住むママ友と何気なくおうちの話になり、新築建てたいと思ってたけど、金銭的にきびしそうだから云々などという話をしたところ、

「私たちはね、たまたま夫の実家のとなりが売りに出されたからリノベしたんだ〜」というので、ご自宅まで図々しくおじゃますると、

 

ものっすっっっっっっっごく素敵なおうちに住んでいた。

 

あまりの興奮に、初めての訪問のくせして遠慮のなくバスルーム、脱衣所、ベッドルームまでみせてもらい、ほぇ〜!素敵〜!!へぇ〜〜!!と絶叫する不躾なわたし。

 

2時間ほどおうちの話を聞かせてもらい、帰宅する頃には感動と興奮でぐったり疲れていた。

 

 

わたしは思った。

 

そうか。

家は金じゃない。

家はかけたお金じゃないんだ。

家がどうこうってよりも、中がどうなってるのかってほうが大事なんだ。

 

もちろん地盤とか?シロアリとか?断熱とか?よくわからんが、その他いろいろプロが見て安心なおうちってところで気になるところはあるだろうけど

 

4千万の家たてたって、1億円のマンションだって、500万円の中古住宅だって、中の人が幸せじゃなかったら意味ないんだ…

 

家に何を求めるのか、生活の満足って何に対してあるのかってことをよく考えないと本当の意味での理想のおうちは建たないんだ…

 

うちの実家は50坪、H氏の実家は70坪、おばあちゃんのおうちは150坪とものすごいでかい住宅をたてている。

 

だからっていって、中の人たちの幸せが、家の作りに起因してたかと考えたら、それはそうじゃない気もする。

 

 

新築のおうち、ドアノブもぜんぶ自分で選んだ、35年ローン、だから旅行も節約、欲しいものも我慢、だけど家はものすごくきれいでおしゃれで新しい。

 

 

あたしはH氏と、どんなおうちで、どんな生活をしたいのか?

 

 

うーんうーんうーん

 

 

中古住宅のリノベーション、考えてみようということで勉強中です。

 

 

 

 

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