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Many and Very

いつ死んでもいいように、なるべくがんばって生きたいだけ。

失敗したとき

先日友人が、夫に一番腹たつときは、夫が風邪ひいたとき、みたいなこと言っていた。

 

小さな子どもがいると家全体が風邪モードになることはけっこうあると思うんだけど、そんなときの成人男性はとにかく、とにかく弱い。

 

友人の夫も、何度も何度もピッピピッピと熱を測り、はぁ、とため息をついたり、もうダメだ、などと言ってみたり、俺が一番具合悪いなどと謎の比較をしてみたりで、

 

まぁはっきり言うと、とにかく目障りなんだそうだ。

 

 

「わかる。」と私は頷いた。うちも、うちの夫もまったく同様だ。

 

 

本日は毎日7時きっかりに起床する息子がめずらしく6時すぎに覚醒し、ニャーニャーとうるさいので眠い目をこすりながらリビングに移動すると、夫が「ゆ、ゆうこ・・・体温計とってくれない?」と蚊の泣くような声で呼びかけている。

 

「熱あんの?」と顔をさわると、んん、ちょっと熱い。

 

「熱あるかもねぇ」なんて言って体温計を渡すとどうやら37.8度らしい。

 

そのままパタンとドアを閉めて、夫が起床する7時30分まで静かに寝かせておいた。

 

 

「おはよぉ、めっちゃしんどい・・」などとのそのそヨロヨロと寝室から出てきた夫は、ソファの上で横になり、また何度かピッピピッピと体温を測り「あ、38.5度だ」「あ、なんかちょっと下がってる」「はぁ、仕事どうしよう」だのと独り言を言っている。

 

結局8時くらいまでに5回以上体温を測定し、「よし!今日は休むぞ!!」と気合を入れて上司に連絡して、本日は久しぶりの病欠だった。

 

「大丈夫?今日はゆっくり寝てなよ」と声をかけると、

やや顔色の悪い夫はニヤリと笑い、「みたか!俺だって風邪ひくんだから!!いっつも具合悪いとか言うと迷惑そうな顔してるの知ってるんだからね!!ちゃーんと熱も出るんですぅ!!」と勝ち誇ったように私を指差していた。

 

夫曰く、看護師の妻というのは具合の悪いときは最悪らしい。

全然心配してくれないし、全然やさしくないし、全然何もしてくれない、と。

 

うるさい!!うるさいうるさいうるさい!!!!

こっちは子どもの世話でただでさえ精一杯なんだっつーの!!

体温計くらい自分で取って!大人でしょ!?

暖かいお茶くらいいれてあげるから、だまって薬飲んで寝て!!大人なんだから!!

ご飯つくって犬と子どもの世話してるんだから、あなたの世話まで絶対できない!風邪ひいてもいいから自己管理でお願いしますと毎回同じことを伝えるんだけど、どうも彼には「ほんと優しくない」の一言で済まされてしまう。

 

優しくないんじゃない。冷静なのだ。

こっちは本人の状態を考察しての行動なんだし、別に患者にだって自分でできることなんて一切やってあげないよ、ねぇ。

 

 

まぁ夫が具合悪くて、さすがにちーと家にいると、父に遊んでもらいたくてしょうがない息子がワイワイとちょっかいを出しにいくので夕方まで実家で過ごし、

 

帰宅してから息子の相手をしつつ寝てる夫の鍋焼きうどんをつくり、息子にもご飯を食べさせ、片付け、犬の世話をし、夫のデザートまで準備し、息子と風呂に入り、寝る支度のときにギャン泣きしている息子をあやしながら片手に抱いてミルクをつくり、どっこいしょと寝室に寝かせると、

なんとミルクの蓋が少しずれていて半開きだったため、ミルクがほとんど漏れて息子とパジャマとシーツがべしょべしょになった。

 

ぎゃあ!!ミルクが!!(ベッドマットに染み込む!!!!!!)と悲鳴をあげ、電気をつけて急いで息子のパジャマを脱がしシーツをを剥がすと、当然驚いた息子はギャンギャン泣いて、

 

ひぃぃぃ、ちょっとちょっと、ちょっとだけシーツ変える間だけ、ちょっと!あんた!ちーのこと見てて!!と隣で私の騒動を無視して布団をかぶっている夫に懇願すると、

 

 

布団をかけたままの状態で「なんでミルクの蓋しめないの?俺、頭いたい・・・」とつぶいやいただけ。

 

 

はぁ?

 

これが夫婦間でたまにある、軽い殺意が沸く瞬間です。

 

 

私は一瞬にして結婚したことを後悔し、離婚届が頭の中央にぴらぴらと舞ってきてる幻覚まで見え、それまでの疲労が蓄積されて一気に老けた。

 

 

「・・・じゃ、せめてシーツ変えるからあっち行ってて・・」と軽蔑の眼差しをあびせながらできるだけ冷たい声でそう言うと、

夫も夫でちっと舌うちをして、「何しろかにしろって・・、俺にあっちいけってか、はいはい、はぁ、頭痛い」などと文句を言いながらリビングに移動する後ろ姿に全力で飛び蹴りしたくなった。

 

くぅ、ほんとこの人って・・・とむくむくと底の方から湧き出る負のエネルギーで体が重たくなってるのを感じたが、しかし風邪引きで機嫌の悪い夫としょーもない喧嘩をするよりも、ミルクまみれになった泣いてる息子とシーツを始末するほうが優先順位は高い。

 

負の感情にとらわれながら、無表情で看護師やっててよかったと思えるスピードで汚染された患者(息子)の病衣とシーツの交換をしていると、

綺麗になった息子が「ねんね〜ねんね〜〜〜ねんね〜」とコロコロかわいい笑顔でわたしの前に転がってきて我にかえった。

 

あ、そうだ、腹立ててもしょうがないんだった。

しょーもない挑発に乗っちゃダメだ。自分のペースを乱されるのが一番疲れるんだ。

 

 

「うん、ねんねしようね。ごめんね、もう一回ミルクつくるね」と息子に声をかけて、そうだ、蓋ちゃんと閉めなかったのは私、確かにそうなんだから、誰かに当たるのはやめよう、夫の性格の悪さと私の生活は別の話だ・・・とぼんやり思いながら息子を抱いた。

 

 

理不尽なこと、理解してもらえないこと、そういうのは生活してればたくさんある。

それで一番辛いのは、自分で自覚している自分の失敗を誰かに反射的に責められることだ。

 

今回の私みたいに。

 

夫が具合悪くて、いろいろ忙しくて、大変で、泣いてる息子を抱いて片手でミルクの蓋をしめたからずれていたなんて、言い訳だけど、だけどたぶんいろんな失敗には、いろんな理由があることのほうが多いんじゃないのかな。

 

そんなことを思いながらミルクの匂いがするシーツを洗濯機に入れて、リビングで転がってる夫の顔に冷たい味噌汁ぶっかけて(今我が家にあるもののなかで最悪そうなもの)踏みつけたくなる衝動を抑えつつ、

 

もし子どもたちがこの先成長して、カーペットに何かをこぼしたり、大事な忘れ物をしたり、茶碗をわたったりして、失敗にイラッとする場面があったとしても、

「どうしてそんなことしたの!!」とかいって頭ごなしに叱らないでおこうと思った。

 

 

怒るより許すことにエネルギーを使うのが結婚生活における私の心がけ。

 

今回は、ブログでエネルギー発散したことだし、シーツ干してもう寝よう。

 

 

明日もいい日でありますように。